建設の歴史散歩+

1974~2005まで連載された建設の歴史散歩+エッセイ的な

第12回 元禄時代の仇花的請負人たちⅡ

第12回 元禄時代の仇花的請負人たちⅡ ~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1975年3月号の記事より (写真文字が不鮮明) ────────── 師走!と、し忘、れ。今年もいろんなことがありました。年も取ったけど年は取るもの増やすもの。皺も…

第12回 元禄時代の仇花的請負人たちⅠ

元禄時代の仇花的請負人たちⅠ~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1975年2月号の記事より ―――――――― 仇花。調べたら咲いても身を結ばない花のことだそう。無駄花ともあり、そうなのか、と思う。無駄なところにこそ意味がある。その無駄…

第11回 土建信仰の初詣

土建信仰の初詣~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1975年1月号の記事より ―――――――― お正月の回です。 父の連載の順番通りに私も書かなくとも良かったのです。だけど書きやすいテーマから選ぶと、小難しいテーマばかりが残ってしまい…

第10回 初代清水喜助の故郷

初代清水喜助の故郷 ~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年12月号の記事より ―――――――― この丘に私も立ったことがある。と思ったけど、本当にこの丘だったのかな?とにかく父が倒れた後、葬儀が済んでも用事が引けなくて、ひと月の…

第九回 江戸の人足寄場 佃島・石川島のあたり

江戸の人足寄場 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年11月号の記事より ―――――――― 罪とは何ぞや。何かと不条理な世の中です。罪は何処にあるのか。何処からやってきて肩に止まるのか。考えたら先に進まなくなり、昨夜独り言のよ…

第八回 玉川庄右衛門・清右衛門の墓

玉川庄右衛門・清右衛門の墓 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年10月号の記事より ──────── 建設の歴史を追う旅。玉川上水工事。工事オタでもない限り、婦女子が興味を持つ内容ではない。と思われましたが、日本の建設産業に…

第七回 玉川上水

玉川上水 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年9月号の記事より ──────── 父の晩年に一緒に玉川上水を歩いたことがある。埃っぽい国道を歩いて目的物をカメラに収め、資料館へと。駅前の喫茶店でサンドイッチを食べたっけ。あれ…

第六回 江戸上水の建設者 大久保藤五郎忠行

江戸上水の建設者 大久保藤五郎忠行 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年8月号の記事より ──────── この記事が書かれた当時と今とでは状況が全く違うのである。そこを切なく読んだ。少し前まで水道民営化が気掛かりだったが、…

第五回 おかめ伝説と土建信仰 京都・大報恩寺

おかめ伝説と土建信仰 京都・大報恩寺 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年7月号の記事より ──────── 内助の功にも程がある。京都のおかめさんです。夫の仕事上の大ミスを救ったスーパーウーマン。柳の御簾の向こうに鎮座する…

第四回 石工・大工のふるさと 信州高遠

石工・大工のふるさと 信州高遠 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年6月号の記事より ──────── 高遠の地を踏んだこの時の父は37歳。建設省を退職して日本建築センターに移っていました。(芝浦工大講師とありますが、父は掛け…

第三回 日本人の手になる 初の鉄道トンネル工事跡

『 日本人の手になる 初の鉄道トンネル工事跡』 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年5月号の記事より ──────── 第3回目は日本初の鉄道トンネル工事。少しその前に説明を付け加えますと、このブログは『建設の歴史散歩』を読ん…

第二回 建設者 武田信玄

『 建設者 武田信玄』~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年4月号の記事より ───────── 三年前に至近の荒川に降り注いだ大雨は、あと数センチで限界数値に到達するところをギリギリで難を逃れた。近隣には浸かった家屋もあり、上…

第一回 谷中の五重塔

『 谷中の五重塔』 ~建設の歴史散歩~ 菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1974年3月号の記事より ──────── 連載の先陣を切るのは谷中の五重塔。私の父は文学少年で、持ち金のほとんどを古書収集に費やしていた。建設業の物書きになってからは、更に本…

建設の歴史散歩+とは

日本人の心の風景や、ゆとりある人情が失われゆく時代です。先人の偉業、建設土木の功績を残しておきたいと思うようになりました。このblogは、日本土木工業協会の機関誌『建設業界』に1974年3月号~2005年10月号まで私の父が連載していたコ…