建設の歴史散歩+

1974~2005まで連載された建設の歴史散歩+エッセイ的な

第11回 土建信仰の初詣

土建信仰の初詣~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1975年1月号の記事より 

 

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お正月の回です。

父の連載の順番通りに私も書かなくとも良かったのです。だけど書きやすいテーマから選ぶと、小難しいテーマばかりが残ってしまいそうだし(たぶん3分の2以上…)書きにくいお題から何かを見つけるのも楽しいかなと思ったのでした。

しかしお正月。書いている今は10月になり猛暑をようやく通り過ぎたところてん。でもきっと今年も流行り行事を横目でやり過ごすうち、あっという間に正月なんだろうな。

 

今年の元旦。荒川土手から写したさいたま新都心📷父の好きだった風景。いかにも建設的。

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この回の冒頭には、不況よ去って欲しいとの願いが。今も同じ切なる声。だがこの文章から浮かぶ景色や人の顔は違って見える。

舗装のされていない砂利道で、鼻水を垂らして遊ぶ子供。お母さんは髪にパーマを当て、膝下丈のスカートで台所に立つ。年頃の娘は部屋に籠り、音楽を聴いている。大晦日に聴いたヒットソングが頭から離れない。理由のわからないことで悩んでいるうち老いぼれてしまうから。

友達と原宿あたりに出かけようかな。ポニーテールを結び、ペッグトップパンツに着替える。曇り空の窓からは健康な風が吹く。郵便のオートバイが聞こえて、年賀状を取りに飛び出す。

たぶんこの先にはもう見ることが出来ない光景。瀬戸際をいかに生きて終わるかの勝負。このゲームの中で迎える正月はどんなだろうか。優しく尊い正月であるに違いない。

 

※第16回日本レコード大賞。大賞は森進一の襟裳岬。最優秀新人賞が麻生よう子の逃避行。この歌好きでしたね~。作詞が千家和也、作曲が都倉俊一。

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※添付画像には著作権が存在します。※表紙絵は牧野伊三夫さん(全体像がup出来ず部分になっています)※田中良寿さん編の著作目録を活用しています ※建設産業図書館の江口知秀さんに多謝申し上げます。