建設の歴史散歩+

1974~2005まで連載された建設の歴史散歩+エッセイ的な

第12回 元禄時代の仇花的請負人たちⅠ

元禄時代の仇花的請負人たちⅠ~建設の歴史散歩~菊岡倶也 『建設業界』日本土木工業協会 1975年2月号の記事より 

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仇花。調べたら咲いても身を結ばない花のことだそう。無駄花ともあり、そうなのか、と思う。無駄なところにこそ意味がある。その無駄を考えるのがいいんじゃないかって、ほんとにそう思っているのか、自分でも分からない。分かった気になってたけど、そっちでなく本当はこっちなんじゃないかって、考えると疲れてしまって、考えないように無駄に動き回っている。なんだ、仇花は私みたいなのを言うのじゃない。

 

仇花は身を結ばなくてもその時に確かに生きていたと。それを証明するミクロな粒があって、少しだけピンクで黒くて赤くて薄い青みがかってもいる。その粒も一瞬で消えるけれど。

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私の育った実家は都営住宅の小さな平屋。部屋という部屋に本が積まれていた。庭に置かれた書庫にも父の蔵書がびっしり。中には清水の次郎長の子供向け絵本や、ヤクザの隠語辞典なんてのがあって、何故このような本を?と思っていたが、土木関係の本だと今なら分かる。フリーメイソンのもかなりあった。

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※添付画像には著作権が存在します。※表紙絵は牧野伊三夫さん(全体像がup出来ず部分になっています)※田中良寿さん編の著作目録を活用しています ※建設産業図書館の江口知秀さんに多謝申し上げます。